脳神経系

2015.06.08

認知症における摂食・嚥下障害 渡部廣行 先生

2015年6月4日 ホテルプラム
演題「認知症における摂食・嚥下障害」
演者:諸星クリニック 渡部廣行 先生
内容及び補足「
嚥下運動は、口腔期、咽頭期、食道期に分類される。

(西山耕一郎著 中外医学社 高齢者の嚥下障害診療メソッドP9)
しかしこの前段階として、先行期(認知期)があり、認知症患者の場合には、この段階に問題がある場合が少なからずある。
これから接触する食べ物の性状を認知し、過去の摂食した際の記憶と比較検討を行い、食べ物の量、食べ方、食べる速さなどを決定し、食べる姿勢を決定し、唾液の分泌量などを決定し、口に運ぶ適切なペースを決め、そのペースに合わせて、口唇を構えて受け入れる準備を行う段階である。
この動作の際に、知覚、注意、記憶、判断、言語といった機能が使われる。

摂食障害・嚥下障害の原因は四つの面から考えられる
① 口腔面:歯牙の欠損、義歯の不適合、口の動きの低下、歯周病、口内炎、舌炎、唾液分泌減少(食道炎、胃潰瘍)
② 身体面:座位保持困難、上肢機能低下、体力低下
③ 精神面:食欲低下、食欲異常亢進、注意障害、意識障害
④ 環境面:椅子・机の高さ、嗜好・摂食能力に合わない食事提供

認知症の各疾患における摂食・嚥下障害の特徴
アルツハイマー型認知症:
① 摂食開始困難 中期:食べ物を認知できない(失認)、どのように食べてよいか分からない(失行)
② 摂食中断 中期:注意障害のため食事以外の刺激により中断
③ 食べ方の乱れ 中期:空間認識障害や失行のため箸がうまく使えず食べこぼす
末期:ずっと口腔内に食べ物をとどめる、口を開けない
④ 嚥下障害 末期においてはほとんどの症例において認める

血管性認知症:
① 嚥下障害 発症時から起こることが多い。仮性球麻痺や球麻痺による可能性が高い
② 摂食開始困難 記銘・再生に時間がかかるため
③ 摂食中断 局所神経症状により、疲れてしまうため食事を中断する
④ 食べ方の乱れ 半側空間失認(無視)がある場合片側半分の食事を残す。口腔機能低下側に食物残渣、誤嚥あり

レビー小体型認知症:
① 嚥下障害 パーキンソニズムによるドーパミン不足から生じる嚥下反射の低下
② 食べ方の乱れ 認知機能の変動
③ 摂食開始困難 幻視:食べ物に虫がいるなど
④ 摂食中断 注意障害やパーキンソニズムによる振戦・無動による摂食動作に支障をきたす、視空間障害により食べ物までの距離が正確に認識できず手が届かない

前頭側頭型認知症:
① 摂食中断 脱抑制や被影響性の亢進のため食事途中で立ち去る
② 食べ方の乱れ どんどん食べ物を口の中に詰め込む。早食い。常同行動により、いつも同じ時刻に同じ料理を作り同じ場所で食べることへの固執。口唇傾向・食嗜好の変化の結果過食・濃い味付けを好むようになり肥満や糖尿病発症・合併リスクの上昇

参考サイト:
認知症高齢者の食行動関連障害支援ガイドライン
作成および検証に関する調査研究報告書(平成23年度 厚生労働省 老人保健健康増進等事業)

認知症の人の摂食嚥下障害:北中城若松病院 認知症カフェ 2015年2月14日講演

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