循環器系

2013.04.15

虚血性心疾患におけるEPAの役割 久留米大学病院 上野高史先生

2013年4月12日 ベイシェラトンホテル&タワーズ
演題「循環器疾患治療における高純度EPAの役割」
演者:久留米大学病院循環器病センター教授 上野高史先生
内容「アテローム(動脈硬化)血栓性イベントの発症リスクを有する集団でのアテローム血栓性イベントの発症を評価するREACH Registry試験の結果を見てみる。症例は全世界で68129人(日本人5197人)が登録された。対象者の内訳と結果を下に示す。

CAD(虚血性心疾患)患者のCVD(脳血管障害)発症は0.86と低く、CVD患者のCAD発症は0.51と低いのにCAD患者のCAD(MI)の再発は1.37、CVD患者のCVD再発は3.60と高いこととPolyvasucular Disease(多血管障害患者)のイベント発症率は高く、CAD+CVD+PAD(抹消動脈疾患)の患者はさらに高率にイベントを起こしていることである。
Seven Country Studyという7か国16集団の冠動脈発生率と生活習慣とくに食事との関連を明らかにした研究があり、日本では農村として田主丸、漁村として牛深が選ばれた。http://www.epi-c.jp/e110_1_0001.html

飽和脂肪酸の減量、ビタミンC摂取量の増加、喫煙率の低下が脂肪率の低下に寄与した結果になった。
薬剤溶出ステントを使った治療で、早期の冠動脈閉鎖は減少するが、長期治療による死亡率減少には効果がなかった。その後ステントが改良され、第二世代となったことにより死亡率の低下が期待でき、血管内視鏡で観察していても、黄色かった動脈硬化のある冠動脈が、黄色いところが減少してきている現象があり、血管造影中にアセチルコリンを注入し冠動脈の収縮変化を見る試験では、第二世代の方が収縮しなくなってきており、血管内皮機能の改善が見られている。このことが長期予後の改善に寄与していると考えられる。
日本で行われたコレステロールを低下させるスタチン治療に高純度のEPA製剤であるEpadelを追加投与するかしないかの試験JELIS研究の結果で冠動脈イベントの一次予防・二次予防ともに有効であることが示された。


特に心筋梗塞がありPCI(心臓カテーテルによる治療)施行例では41%もイベントが低下している。
EPAやAA(アラキドン酸)は測定値に幅があり、基準値内の入っている人でも、EPA/AAの比を取って見ると、異常値に入る人も少なくなく、この日が重要であると考えられる。JELISのサブ解析でEPA/AAが冠動脈イベントのマーカーとしても重要であることが示されている。

アメリカで当初はEPAを生成する技術がなかったので、心血管疾患の二次予防にはEPA+DHA製剤2~4gの投与が推奨されていたが、最近はEPAだけのものが生成できるようになったので、高純度のEPAの投与が推奨されている。というのもDHAの投与で虚血性心疾患の予防効果が確認されていないからである。
脳内にあるDHAに関しては、アイソトープでラベルしたものを追いかけた実験があり、脳内に到達したEPAが代謝され、DHAに変換されたものが主であった。

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