脳神経系

2013.07.29

認知症疾患の早期診断・早期治療 眞鍋雄太先生

2013年7月25日 ホテルキャメロットジャパン
演題「認知症性疾患の早期診断・早期治療‐治療介入のタイミングはいつか?-」
演者:横浜新都市脳神経外科病院内科認知症診断センター 眞鍋雄太部長
内容及び補足「認知症の定義があいまいな方が多く、しっかりと認識しなおしてほしい。
色々な学会や研究会がそれぞれの定義を決めているが、
基本的な考えとしては:後天的に獲得し、意識せずに発動していた認知機能が病的な機序により発動できなくなった状態である。
原因疾患(http://www.neurology-jp.org/guidelinem/degl/sinkei_degl_2010_02.pdf)としても、多種多様であり、交通外傷後、脳炎後遺症、アルツハイマー病やレビー小体病といった変性疾患、脳血管障害によるもの、治療でよくなる可能性がある、甲状腺機能低下症やビタミン欠乏性脳症(Vit B1、B12など)、正常圧水頭症などがある。
治療可能である認知症を見逃してはいけないので、これらのための検査として、血液検査でNH3、Vit B1 B12、葉酸、甲状腺機能、自己抗体は測定すべきである。
認知症の治療薬としては、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬、非競合的NMDA(N-metyl-D-aspartate)受容体阻害薬が現在投与可能であり、γセクレターゼ阻害薬(アルツハイマーの原因物質と考えられていうアミロイドβ蛋白生成阻害薬)やアミロイドワクチンが開発されているが、神経細胞の変性を助長・促進させる要因の除去も大切である。つまり生活習慣病といわれている高血圧、脂質異常症、糖尿病の予防治療も認知症にならないための重要な治療法の一つである。
実際に糖尿病があると2~4倍認知症になり易いと考えられている。実際、アミロイドβ蛋白を分解する酵素はインスリンを分解する酵素と同一物質であるため、高インスリン血症の状態は、アミロイドβタンパク分解能力が低下し、アルツハイマーになり易い状態であるといえる。
脂質異常症の治療薬の一つであるエパデールは、ω-3系の脂肪酸であり、この物質は抗炎症作用、抗酸化作用があり、アミロイドβタンパク質のリン酸化を抑制し、アルツハイマーの予防効果があるといわれている。
高血圧に関しても、カルシウム拮抗剤の治療により、認知症疾患の発生抑制効果が認められている。
ただし、認知症が発症してからの治療においては、効果がほとんど認められておらず、認知機能が低下している状態のMICやpreclinical ADの状態からの治療介入が理想的である。ただし、ガランタミン治療の報告の一つで、MCI投与について勧告が出ているので、現時点では勧められない。
アリセプトは老人斑産生抑制作用もあり、積極的にMICの状態から投与が薦められる。
リバスチグミンはブチルコリンエステラーゼ阻害剤であり、コンピュータを使った記憶の改善効果では、アセチルコリンよりもブチルコリンの影響が強かったとの報告があるため、注意力低下症例においてより効果が期待できる。レビー小体においても実際にリバスチグミン著恒例をしばしば認める。
レミニール(ガランタミン)ある程度の進行例において使うべきと考える。
エストロゲンには破骨細胞活性抑制作用、抗酸化・抗炎症作用、アセチルコリン合成酵素活性賦活作用、アセチルコリン受容体増加作用が認められるので、投与可能例においてはかなりの効果が期待できる。
メマリーは、興奮過剰状態を抑制できるのでそういった症例において効果が期待できる。」

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