循環器系

2013.10.17

大動脈弁狭窄症の最新の治療動向 日比 潔先生

2013年10月8日 ホテルニューグランド
演題「大動脈弁狭窄症の最新の治療動向」
演者:横浜市立大学付属市民総合医療センター 日比 潔先生
内容及び補足(含質疑応答)「大動脈弁狭窄の原因疾患は主に退行変性51%、先天性二尖弁の切開か36%、リウマチ性炎症9%が主である。70歳以上の高齢者においては、それぞれが48%、27%、23%と、リウマチ性の炎症によるものが多いが、50歳未満においてはそれぞれが50%、25%、18%と退行変性がおおい。
臨床所見では胸骨右縁第二肋間に最強点を有する駆出期漸増漸減性の雑音で首に放散する。
病態の重篤化に伴って雑音のピークは遅れてくる。
ASの雑音は左室容量を増大させる手技(脚の拳上、蹲踞、バルサルバ手技の解除、心室性期外収縮後の拍動)により増大し、その逆で減弱する。この点が肥大型心筋症の雑音では逆になる。また、狭窄度が進行してくると合併している僧房弁閉鎖不全の音は酷くなる。
通常は無症状で経過し、症状が出現した時にはかなり病態が進行していると考えられている。一般的には狭心症で5年、失神で3年、心不全で2年程度の経過で死に至るとされている。

従って症状が出てくる前に重症度を評価して、治療方法や経過観察の仕方を検討しておく必要がある。主に心臓超音波検査により重症度は判定される。

手術適応に対しては、大動脈弁置換(AVR)の推奨度は以下のようになっている。
Class Ⅰ:①症状を伴う高度AS、②冠動脈バイパス術(CABG)を行う患者で高度ASを伴うもの、③大血管または弁膜症にて手術を行う患者で高度ASを伴うもの、④高度ASで左室機能がEFで50%以下の症例。
Class Ⅱa:CABG、上行大動脈や弁膜症の手術を行う患者で中等度ASを伴うもの。
Class Ⅱb:①高度ASで無症状であるが、運動負荷に対して症状出現や血圧低下を来す症例、②高度ASで無症状、年齢・石灰化・冠動脈病変の進行が予測される場合、手術が症状の発現を遅らせると判断される場合、③軽度なASを持ったCABG症例に対しては、弁の石灰化が中等度から重度で進行が速い場合、④無症状でかつ弁口面積<0.6cm2、平均大動脈-左室圧格差>60mmHg、大動脈弁通過血流速度>5.0m/sec
Class Ⅲ:上記Class ⅡaおよびClass Ⅱbに上げられている項目も認めない無症状のASにおいて、突然死の予防目的のAVR

AS患者の無症状の症例の1%に突然死が見られ、無症状で高度狭窄症例においては2年以内に宍道湖が多く、高齢者では症状から区別がつきにくく定期的な心エコー検査などでの左室機能や弁口面積の狭窄度のチェックが必要である。
2002年からヨーロッパでは経カテーテル的大動脈弁植え込み術(TAVI:Transcatheter Aortic Valve Implantation)が行われるようになり、日本においては2012年9月にリンr承知腱が終わった。3施設で行われた臨床治験では64例に行われ1か月の死亡率が8%、1年後の死亡率が15%と海外の治療成績と同等の結果であった。大動脈弁を広げたり、弁を植え込む際には高頻度でペーシングをし、一時的に心拍動を停止させてから行っている。
大動脈弁は円形ではなく楕円形であるため、長径に合わせて人工弁の大きさを選択すると大動脈が破裂する危険があり、短径に合わせるとARが生じることが問題となっている。その他に、脳梗塞が経過中に5%程度発症しているのも問題である。
バルーン拡張型のサピエンXTや自己拡張型のコアバルブなどの弁が開発されている。」

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