脳神経系

2013.04.22

心房細動患者における抗凝固療法の重要性 西山和利先生

2013年4月20日 はまぎんホールヴィアマーレ
演題「抗凝固療法の重要性」
演者:北里大学医学部神経内科学教授 西山和利先生
内容「脳血管障害の総患者数は平成20年患者調査の概況によると133万9000人(男性65万、女性68万9000人)と推測され、そのうちの約75%が脳梗塞で、約18%が脳出血、残りの約7%がくも膜下出血です。脳梗塞の原因を見てみると、ラクナ梗塞とアテローム血栓性脳梗塞が1/3程度を占めていて多く、次いで心原性脳塞栓症が2割以上の頻度で起こっている。
 

脳梗塞の広がりも、退院時の身体障害の重症度を病型によって異なります。



ラクナ梗塞<アテローム血栓性脳梗塞<心原性塞栓症の順に重篤になる。ちなみに西山先生の資料による杏林大学脳卒中センター入院患者の内訳は心原性脳塞栓症が2/3を占めている。


従って、心原性脳塞栓症の多くの原因となっている心房細動の治療が大切である。心房細動の塞栓症を予防するためには、抗血小板剤は効果なく、抗凝固剤を使う必要がある。治療の考え方としてCHADS2スコアとその改良版のCHA2DS2VAScスコアがあります。


両方のスケールともに数値が高くなると血栓塞栓症の頻度が上昇しています。
追加情報④
脳梗塞を起こす頻度はいろいろな疾患によって異なります。

日本心臓病学会が2011年8月にダビガトロンの発売を受けガイドラインを作成した。

当然抗凝固療法を行う際には出血性合併症に気を付ける必要があり、HAS-BLEDスコアが提唱され、0点:低リスク(1年間の大出血発症リスク1%前後)、1-2点:中等度リスク(2-4%)、3点以上:高リスク(4-6%以上)との提唱があるが、日本人には出血性脳卒中が欧米人に比して多いため、HAS-BLEDスコアの見直しが必要との意見も多い。

追加情報③凝固カスケード
ワーファリンは凝固因子のⅡ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹに作用し、抗凝固能を発揮するが、投与開始から効果が出てくるまでに時間差がある。早く聞く順はⅦ<Ⅸ<Ⅹ<Ⅱの順番であるが、それよりももった早く影響を受ける凝固阻止因子としてprotein Cとprotein Sがある。遺伝的にこれらの因子が少なくなっている人(ヘテロ接合体)に、ワーファリンを投与した初期に、これらの凝固阻止因子が極端に減少したために血栓傾向が悪化することがあるので注意が必要である。
抗トロンビン(Ⅱ)薬であるダビガトロンの投与における臨床試験RE-LY試験では、ワーファリン投与に比べ、ダビガトロン300mgで優位性、220mg非劣性(ワーファリンと同等の効果)である結果ばかりでなく、副作用の発現も少ないことも実証された。

その後、凝固因子Ⅹの活性型Ⅹaの阻害薬がいくつか発売されている。ワーファリンに比べいろいろな薬剤との相互作用や食事内容に注意をさほどしなくてもよく、糖予約材料の調節も原則的にはダビガトロン以外は不要であり、薬効のモニタリングをしなくても良い点は、非常に使い勝手が良く、これらの側面は利点である。しかし、現在公表されている臨床試験のサブ解析で日本人においての解析結果を見てみると、出血性の副作用が欧米人の二倍ほどに見られている点は注意が必要である。薬効のモリタニングが必要ないと原則的には言われているが、特に、高齢者や、体重の少ない人、腎機能障害者においては薬剤の減量が必要である。

ダビガトロンは二種類の投薬量があるので調節しやすいが、他の薬剤に行おいても注意が必要である。

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