川村所長のプライベート日記
2014.07.15
Yomi Dr. 5回目の内容
Yomi Dr. 5回目『高血圧予防…すしは逆さまにして食べれば減塩に』
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=100693
掲載後に読者の方から
『具の側を下にして醤油を適量つけるのは減塩云々の前に正しい作法です。健康は別として啓蒙したいところです。
ご飯を醤油に浸してはなりません。また「浸す」ほどの醤油をなみなみと小皿に出すこと自体が誤りです。出した醤油は使い切るような量を出すのが作法ですので。と、これは脱線ですね。』
という記載と、『酢飯の作り方』のサイトを紹介していただき、米3合に対して18グラムの塩を入れているよと情報提供までいただきました。
http://ichii445.blog42.fc2.com/blog-entry-70.html
気付かずにとっている塩分量はばかになりません。甘い和菓子の甘さを引き立てるために塩を結構使用しているものですし、
ラーメンのスープにも4~5g程度の塩が入っています。
http://www.shoroku.net/food/ramen.htm
時間が取れれば、減塩対策についてもコラムをアップしようと思っていますので、少しお待ちください。
現在6回目『高血圧薬、「ストレス時だけ」「冬だけ」でも…』
を掲載しています。
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=101490
以下は第5回の内容です。
きゅうりもみを作ってみましょう。きゅうりを薄くスライスし、塩を2グラムほど振りかけ軽くもみ、15分ぐらい放置して、搾ってみると、なんと水分を50-60ミリ・リットルほど搾り出せます。
つまり、細胞の外に塩があると、細胞から水を引き出すのです。塩分をいっぱい取ると、細胞から引き出された水分が血管の中に移動します。初めのうちは、血管が拡張して、血圧が上がらないように対応します。緊張している時やストレスがある時、運動開始時などでは血圧を上げるホルモンが分泌され、血管が収縮し、普段より血圧が上昇するようになってきます。
この状態が続くと、次第に血管が固くなってきて動脈硬化が起こり、ストレスがない時でも血圧が高くなってきます。
濃い味や塩辛いもの、本当に好きですか?
薄味を心がけ、塩の量を減らしておけば、こういった血圧の上昇を抑えられます。シンガポールやブラジルの人は1日3グラムぐらいしか塩分を取らないので、年をとっても血圧が上がってきません。
日本人は、「濃い味が好きだ」「塩っ辛いものが好きだ」と言う人が多いのですが、本当に濃い味や塩っ辛いものが好きなのか考えてみましょう。
刺し身の表と裏にしょうゆをたっぷりつけて食べ、「この食べ方が好きだし、おいしいからいいじゃない」と言われる人もいます。
ここで考えてみましょう。大間産のホンマグロのおいしいトロの部分を3切れプレゼントされた場面を想像してみてください。
「今までと同じ食べ方をしますか?」
数千人の患者さんや健診受診者に聞いた結果は…。
「もったいないから、味わってじっくり食べるよ。一切れが大きめだったら、小さく切って食べるよ」と言われる方がほとんどでした。
それでは、「しょうゆのつけ方は?」と聞くと、半分以上の人が「しょうゆはつけないかほんのちょっとにするよ」で、「今まで通り」と答えた人は、数名しかいませんでした。そのうちの1人は、「刺し身の味が嫌いだから、しょうゆで消しているのでそのままだよ」と答えました。
つまり、しょうゆの味が濃すぎると、刺し身の味がわからなくなってしまうことを、実はみんな知っているのです。
だから、「この一切れが、効果で希少価値のものだ」と思い込むことができれば、しょうゆの量は減るはずです。
握りずしの場合、ネタにしょうゆをつけそのネタを下にしたまま、食べてみましょう。結構しょうゆの味が濃く感じられます。ネタを下にして食べる習慣をつけると、しょうゆの量が減るはずです。
また、握りずしを半分に切ってもらうと、一貫が二貫に早変わりし、お得感も。実際、いつもよりも食べる量が減り、経済的にもお得ですし、塩分摂取量も減少します。
口内炎がある時は、塩・しょうゆ味のものを食べると、痛くてつらいことは皆さん経験されていると思います。近年の日本人の胃がんの多くは、塩の取り過ぎがかなり悪さをしているのが、分かってきています。小さく切って、ゆっくり味わって食べる食べ方を心がけましょう。