その他
2024.11.18
成人食物アレルギーとアナフィラキシーの治療および注意点 福冨友馬先生
2024年6月27日
演題「成人食物アレルギーとアナフィラキシーの治療および注意点」
演者:国立病院機構相模原病院臨床研究センター 臨床研究推進部部長 福冨 友馬 先生
場所: ヴィアトリスWeb講演会
内容及び補足「
成人食物アレルギーとアナフィラキシー
成人食物アレルギーの特徴
IgE依存性食物アレルギーの臨床分類を下図にしめす。
小児では緑で囲っている食物アレルギーに関する乳児アトピー性皮膚炎や即時型症状で、鶏卵や牛乳、小麦が原因であることがおおいが、成人では赤で囲っている特殊型である食物依存性運動誘発アナフィラキシーや口腔アレルギー症候群が多く、小麦、エビ、果物、野菜、大豆などが原因であることが多く、異なった病型であるといえる。
食物アレルギー診療の手引き2023
https://www.foodallergy.jp/wp-content/uploads/2024/04/FAmanual2023.pdf
口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome:OAS)
食物による口腔粘膜における接触蕁麻疹症状:主に新鮮な食物摂取後15分以内に口腔、口唇、咽頭後部の掻痒感、口腔内のヒリヒリ感、主張、口頭閉塞感が起こる。
食物依存性運動誘発アナフィラキシー(Food-dependent exercise-induced anaphylaxis:FDEIA)
アレルギーのある食物摂取だけでは問題は生じないが、アレルギーのある食物摂取後に運動をすることによりアナフィラキシーが出現するもので、再現性は高くなく、原因食物がわかりにくいことが診断を困難としている。
食物アレルギー原因食物は小児と大人で異なる。
小児は卵や、牛乳が多いが大人の食物アレルギー原因食物を見てみると、果物・野菜74,加水分解小麦63,小麦24、甲殻類11,スパイス9,ナッツ8、アニサキス4,等が多い。大人では卵や牛乳が上がってこない。
アレルギー疾患の手引き2022年改訂版
https://www.jsaweb.jp/huge/allergic_manual2022.pdf
成人と小児のアレルギーの発症機序は異なり、小児は一人の患者が卵も牛乳も、小麦も一緒にアレルギーを持っていて、少しずつことなることが多いが、成人の食物アレルギーは多様性に富み、別々の食べ物が食物アレルギーをおこし、多様性に富む。
発症機序の面からも、長官が遺憾さ型アレルギーは、食べるとこ以外の面から発症する場合もあり、粘膜のアレルギー反応から発症するものである。
小括:成人は小食持つアレルギーの特徴
- 臨床病型 OAS,FDEIA>即時型
- 原因食物 小麦、甲殻類、果物>卵、乳
- 多様性
成人食物アレルギー 各論
大人の食物アレルギー原因食物は、果物・野菜74,加水分解小麦63,小麦24、甲殻類11,スパイス9,ナッツ8、アニサキス4,ダニ3,ラテックス2、軟体類1、その他17であった(相模原病院2009-2011年受診症例)。
頻度の多い果物・野菜、小麦、アニサキスについて述べる。
症例提示
30歳代 女性
主訴:果物摂取後の喉のかゆみ
現病歴:30歳頃から春の花粉症発症。32歳の時に桃を食べて口腔内のかゆみ出現。その後、リンゴ、イチゴ、サクランボ、キウイなど複数の新鮮な果物でも症状あり。症状が次第に重篤化。最近ではOASだけでなく、鼻炎症状、咳や呼吸困難、顔面の血管浮腫も出現してきたため来院。
検査:春の花粉症+果物アレルギー検査を行った。
IgE抗体価検査
スギ:陽性 40.25kU/L ヒノキ:陽性 2.73kU/L ハンノキ:陽性12.50kU/L カモガヤ:陰性 ダニ:陰性 リンゴ:陽性 0.40kU/L モモ:陽性 0.72kU/L メロン:陰性
プリックテスト: リンゴ、モモ陽性
因果関係:花粉アレルギーが出現し、そのために果物アレルギーも発症したと考える。花粉食物アレルギー症候群である。
参:花粉-果物アレルギー症候群pollen-food allergy syndrome:PFAS
花粉管作後に、花粉と交差抗原性を有する植物性食物を経口接種してアレルギー症状をきたす病態。
口腔咽頭症状に限局することが多い。口腔咽頭症状を主張とすることから口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome:OAS)とも呼ばれる。
原因食物は、果物、生野菜や豆腐で、一人の患者が複数の原因食物を持つことが多い。カバノキ科花粉感作によるバラ科果物アレルギー(リンゴやモモなど)が代表的である。
主な原因アレルゲンであるBet v 1ホモログやプロフィリンは、熱に不安定である。
診断には、新鮮な果物や野菜を用いたprick-to-prick testが有用である。大豆のPFASではGly m 4特異的IgE抗体測定が診断の補助になる。
治療の基本は原因食物の除去であるが、加熱調理された加工食品であれば、接種できることが多い。
https://www.jspaci.jp/guide2021/jgfa2021_14.html
花粉のアレルゲンと果物・野菜のアレルゲンは形がよくているものがある。
Bet v 1のタンパク質名はPR10に対して抗体を作る。作られた抗体はこれらのタンパク質の違いを認識できず交差反応を起こす。
ハンノキ花粉などに暴露され、ハンノキ花粉のPR-10蛋白に感作され、IgE抗体が作られる。その後に、モモなどを食べたときに、似たようなアレルゲンがあるので、モモなどを食べたときに、果粉が入ってきたと誤認をし、アレルギー犯のが発症する。食物アレルギー半のではなく、花粉症の反応である。
アレルギー疾患の手引き2022年改訂版
https://www.jsaweb.jp/huge/allergic_manual2022.pdf
小麦依存性運動誘発アナフィラキシー(Wheat dependent exercise induced anaphylaxis:WDEIA)
小麦の接種では特に問題ないが、接種後に運動をしたことによりアナフィラキシーを発症する病態。
成人で発症する小麦のアレルギーの大半は、WDEIAである。アナフィラキシーまで行かなく、皮疹の蕁麻疹だけの人もいる。
通常型のWDEIAの80%はω5グリアジン感作型でのこりの20%がHMWグルテニン感作型である。その多くはω5グリアジンに対する特異的IgE抗体を測定することで診断可能である。
Allergy 2008 63(11) p1536
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1398-9995.2008.01753.x
食物依存性運動誘発アナフィラキシー(Food-dependent exercise-induced anaphylaxis)
誘因が運動だけではないことがわかってきた。
高校生や大学生までは誘因が運動であることが多いが、それ以降の成人では、運動以外、入浴やNSAIDsの内服、アルコール摂取、疲労、月経前状態、花粉の飛散時期に即時型食物アレッルギー誘発閾値の低下により発症することが明らかになってきており、Augmentation factor-triggered food allergyといわれるようになってきた。
高齢者で比較的頻度の高い食物関連アレルギー
アニサキスアレルギー
症例提示
症例:70歳男性
既往歴:生来健康。元々魚好きで、晩酌でイカや青魚の刺身をよく食べる。鯖の押し寿司で蕁麻疹が出たことが2-3回あるも普段は問題なく食べられている。
現病歴。20××年×月×日、夕食時に家族で回転寿司に行き、ビールを飲みながら、鯖、鯵、イカ、エビなどを食べた。翌日午前2時頃、腹痛で目覚めると、全身に蕁麻疹が出ていた。その後下痢も始まり、トイレに行ったが、トイレで一次意識を失ったため、救急車で病院を受診した。同じようなことをこれまで三回あったため紹介受診となった。
血中抗原特異的IgE抗体価検査を行うも、エビ、ホタテ、鯖、鯵、イカすべて陰性であった。アニサキスのIgE抗体価はClass 4であった。
この症例のキーワードは、魚介類の生食の食後4-5時間経過後に消化器症状を高い頻度で発症し、魚介類のIgE陰性で、アニサキスIgEが陽性である点である。
アニサキスアレルギーの機序:議論が多い
アニサキスの初回感染:が貝類の生食事にアニサキスが存在し、無症状か消化器症状のみで軽快し、その後1ヶ月かけてアニサキスIgE抗体が上昇。
アニサキス再感染:摂食から症状発現まで4-5時間経過、アレルギー反応としては、消化器症状のみのアニサキス症と、全身反応を伴うアニサキスアレルギー(Gastroallergic anisakiasis)がある。後者は、しばしば重篤なアナフィラキシー症状を呈する。
成人食物アレルギー患者を非専門医が診察した際、アレルギー専門医へ紹介するタイミング
食物アレルギーはQOL疾患であるので、患者が希望すれば軽い症状であっても紹介の理由になる。
患者が希望しなくても紹介菅期タイミングは?
- 原因不明のアナフィラキシーで反復
- 原因は明らかであるがアナフィラキシーを反復
- 除去食により栄養状態に問題が生じていることが疑われたとき
アナフィラキシーに対する急性期治療
アナフィラキシーの原因は、薬剤と食物、昆虫と言われていて、子供はほとんどが食物であるが、高齢者になり、薬剤と昆虫となり、致死性の高い原因もこの2つであり、特に薬剤性が問題となっている。
アナフィラキシーショックによる死亡数は、2001-2020年のデータとして厚生労働省の発表している人口動態統計によると1161例ありそのうちの39%が医薬品によるものであり、蜂の刺傷は32%、食物4%、血清1%、詳細不明が24%となっている。毎年10例前後が薬剤アナフィラキシーで死亡していることになっており、特に点滴薬が問題である。
薬剤のアナフィラキシーの場合、初期対応の数分が予後を分けており、まずアナフィラキシーの対応として必要なのは、頭でイメージトレーニングをしておくことが必要である。
我が国ではアナフィラキシーのガイドラインが2014年に最初に刊行され2022年に改訂された。
アナフィラキシー診療の問題点は、通常はアレルギー非専門医が初期治療に当たり、診断が適切になされず、治療が不十分で、アドレナリン投与の遅れが予後に直結することである。
このガイドラインは、アレルギー専門医に対して作成されているものではなく、アレルギー非専門医に向け、診断や治療について作成されたものであり、是非一度見てほしい。
初期対応
フローチャートを下図に示す。
一般的な原不明の急変の際の急性期対応と流れが違うことを意識すべきである。
通常の場合は、気道確保、酸素投与、ルート確保を行うが、アナフィラキシーの場合にはこれとは異なる。
診断が確定していなくても、アナフィラキシーを疑った時点で、暴露要因を取り除くことが最優先である。院内の場合には、点滴中の薬剤を中止することである。
次いで患者を評価シ、アナフィラキシーの診断を行う。
アナフィラキシーの診断がついたら、まず最初に、アドレナリンの筋注を行う。
その後に、気道確保や酸素投与、ルート確保を行うことになる。
アナフィラキシーガイドライン2022
https://anaphylaxis-guideline.jp/wp-content/uploads/2023/03/anaphylaxis_guideline2022.pdf
アドレナリンが正しく使用されない理由としてアナフィラキシーの診断に自信がないということが考えられる。
専門医にとっても自信がないものである。非専門医にとってのアナフィラキシーの診断は診断基準の当てはめでよいと考える。
2010年4月~2013年3月までに国立アレルギー感染研究所/食物アレルギーおよびアナフィラキシーネットワーク(NIAID/FANN)基準の診断基準で対応した174例の患者のうち91例52%がアナフィラキシーに関するNIAID/FANNの基準を満たしていた。アレルギー免疫学者は61例35%のアナフィラキシーを診断し、そのうち58例95%がNIAID/FANNの基準も満たして織、診断基準の機械的な当てはめで充分であるといえる。
NIAID/FAAN診断機銃の感度95% 特異度71%
JACI pract 2016 4 1220
https://www.jaci-inpractice.org/article/S2213-2198(16)30182-9/fulltext
アナフィラキシーの診断基準は、一つ目は、我が国の診断基準では、急速に発症した皮膚・粘膜症状に、呼吸器症状、循環器症状、消化器症状のうちの一つ以上、2臓器以上の全身症状があればアナフィラキシーと診断する。
二つ目は、典型的な皮膚症状を伴わなくても、当該患者にとって既知のアレルゲンまたはアレルゲンの可能性が極めて高いものに暴露された後、血圧の低下、または気管支攣縮、または喉頭症状が急速(数分から数時間)に発症した場合である。
アナフィラキシーガイドライン2022
https://anaphylaxis-guideline.jp/wp-content/uploads/2023/03/anaphylaxis_guideline2022.pdf
『アナフィラキシーと診断した場合、または強く疑われる場合はアドレナリンを筋肉注射する』と我が国のガイドラインp21に記載されているので、逆に、「診断基準を満たし、重篤であるのに、アドレナリンを筋注せず、その後の結果が悪ければ対応医は責任を問われうる」可能性があることになる。
したがって、非専門医も、診断基準を把握しておく必要がある。
副作用を漠然と心配してアドレナリンが正しく使用されていない可能性がある。
277例(女性138例51.5%、年齢の中央値29歳)のアナフィラキシーが疑われる症例に対してアドレナリンの投与が行われ、副作用は58例21.6%に発生し、震え、動機、不安感が多かった。副作用の発症と、高齢、高容量のアドレナリン、または静脈内経路の使用との間に有意な関連が認められた。重篤な副作用(高血圧、胸部不快感、心電図変化)は8例3%でしか発生はなく、このうち3例は静脈内投与が行われていた。
Int Arch Allergy Immunol. 2017;173(3):171-177
つまりアドレナリン筋注による重篤な副反応はまれであり、静脈内投与例では副反応が多いといえる。
アドレナリンの作用機序を見てみると下表のようになる。
呼吸器循環器症状の改善とメディエーター遊離抑制作用がある。
この中でアナフィラキシーの治療として重要なのは後者のメディエーター遊離抑制作用が重要であり、早期から投与する必要があるといえる。
アナフィラキシー時におけるアドレナリン投与に関する最新のUptodate記述として以下のものがある。
Anaphylaxis appears to be most responsive to treatment in its early phases, before shock has developed, based on the observation that delayed epinephrine injection is associated with fatalities.
アナフィラキシーは、エピネフリン注射の遅れが死亡事故につながるという観点から、ショックが発症する前の初期段階での治療が最も効果的であると考えられる。
There are no absolute contraindications to epinephrine use, and it is treatment of choice for anaphylaxis of any severity.
エピネフリンの使用に絶対的な禁忌はなく、あらゆる重症度のアナフィラキシーに対して選択される治療法である。
Epinephrine should also be administered to patients who have symptoms or signs consistent with impending anaphylaxis when the clinical suspicion for anaphylaxis is high, even if formal diagnostic criteria are not met.
正式な診断基準を満たさなくても、アナフィラキシーの臨床的疑いが高い場合には、アナフィラキシーの切迫した症状と徴候が一致する患者にエピネフリンを投与すべきである。
Anaphylaxis Emergency treatment Uptodate 2023(2023年6月更新)
エピネフリン使用における注意
エピネフリン投与により潜在的有害事象のリスクが高い疾患
- 心疾患
- コントロール不良の高血圧
- 大動脈瘤
- 合併症の多い高齢患者
エピネフリン投与によるベネフィットと潜在的有害事象のリスクバランスをとる必要はあるが、アナフィラキシー治療においてエピネフリン使用の絶対的禁忌疾患は存在しない。
WAO Journal 2011 4 13-17
https://www.worldallergyorganizationjournal.org/article/S1939-4551(19)30413-2/fulltext
アナフィラキシーガイドライン2022 p17
https://anaphylaxis-guideline.jp/wp-content/uploads/2023/03/anaphylaxis_guideline2022.pdf
アナフィラキシーのTarget臓器としての心臓
- 基礎疾患のないものにおいてもアナフィラキシー中に心筋機能抑制を認めることがある(Lancet 1988 1 (8582) 386)
- アナフィラキシー時に血管攣縮性狭心症が起こることがある(Kounis症候群)
- アナフィラキシー時に徐脈+ショックバイタルになることがある。
- 基礎疾患に心疾患があるものは、このようなことが起こるリスクが高い。
(エピネフリン投与による副反応としてもこれらの症状は起こりうる)
参:Kounis症候群
アレルギー反応により肥満細胞から放出される種々のメディエーターにより急性冠症候群にかかる種々の病態が引き起こされる疾患。3つのタイプに分類される。タイプ1:元々有意狭窄がない冠動脈に攣縮をきたすもの。タイプ2:元々存在していた冠動脈プラークが破裂し急性冠症候群をきたすもの。タイプ3:冠動脈ステント留置例においてステンと内血栓症をきたすもの。
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000851823.pdf
急性期には鑑別できない。
エピネフリン投与によるベネフィットと潜在的有害事象のリスクのバランスをとる必要があるが、アナフィラキシーにおいてエピネフリン使用の絶対禁忌疾患は存在しない。
アドレナリン以外の薬剤
- H1抗ヒスタミン薬→第一選択ではない。皮膚症状を緩和。その他の効果は未確認。急速静注しない。
- グルココルチコイド全身投与→第一選択ではない。二層制反応を呼ぼう・緩和する可能性→投与する場合は、急速静注しない。
- H2抗ヒスタミン薬→皮膚症状に効果があるとの報告がある。使用する場合は急速静注しない。
長期管理
- 原因の特定と回避
- 蜂毒の免疫療法、薬剤の脱感作などの考慮
- エピペンの処方と携行指導
- 誘因、難治化因子、増悪因子などの同定とコントロール
が必要であり、1と2はアレルギー専門医の仕事であるが、3と4は非専門医も対処すべき項目である。
アナフィラキシー長期管理において注意を要する基礎疾患と薬剤
基礎疾患:アナフィラキシー重症化危険因子としてコントロール不良の喘息、心疾患がある
薬剤:
食物アレルギー症状の誘因として、NSAIDs、PPI、H2 blockerがある。
アナフィラキシー重症化因子として、αブロッカー、βブロッカー、ACE阻害薬がある。
結語:
- 成人食物アレルギーの特徴
- アナフィラキシーへの対応:薬剤アナフィラキシーへの対応はすべての医師に必要な知識であり、日頃からのイメージトレーニングが必要
- 適切な初期対応と適切な診断は表裏一体
- エピネフリンは、メディエーター遊離抑制作用を期待して、早期に投与を行うのであり、バイタル安定化を期して充分増悪してから投与するものではない
- アナフィラキシー治療においてエピネフリン使用の絶対禁忌疾患は存在しない
参考文献:
https://anesth.or.jp/files/pdf/response_practical_guide_to_anaphylaxis.pdf