消化器系

2013.10.26

なぜ、すべての子供にB型肝炎ワクチンが必要なのか? 乾先生

2013年10月21日 ローズホテル横浜
演題「なぜ、すべての子供にB型肝炎ワクチンが必要なのか?―見えてくる日本の立ち位置―」
演者:済生会横浜市東部病院 小児肝臓消化器科部長 乾あやの先生
内容及び補足(含質疑応答)「日本は世界的にみて肝癌多発地域の一つで、2000年における肝癌と肝硬変死亡数は43821人である。日本の肝癌の90%以上は肝細胞癌であり、その大部分がB型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスの持続感染による慢性肝炎と肝硬変が肝癌発生母地となっている。肝細胞がんの80%弱がHCV抗体陽性、10%強がHBs抗原陽性である。49歳以下で発症する肝癌の多くはB型肝炎の持続感染であり、近年では若年者にHBs抗原陽性者が多くなってきている。

しかも、GenotypeAといわれる海外由来のHB感染が増加している。

ヘプタバックス投与により複数の遺伝子系のウイルスに対する抗体が産生されることが証明されている。

3回接種により抗体価は極端に上昇させることができるので、是非とも3回接種してもらう必要がある。2回で終わっている人や抗体価が低下した人にはキャッチアップ投与が必要である。

アメリカが1991年にユニバーサルワクチネーションに移行した後の変化を見てみると、ワクチンの接種率の急激な上昇と、啓もう活動などにより減少傾向にあったB型肝炎の罹患率が、さらに減少している。台湾においても全乳幼児にワクチンの摂取が推奨されるようになってから、確実にHBs抗原陽性率が減少している。

接種されたワクチンの効果は中国のデータではあるが20年以上の抗体価の存在率が示されている。

平成14年佐賀県の保育所でHBキャリアの職員から園児19名、職員6名に集団感染した出来事があった。アトピーやトビヒなどの皮膚の障害部位から血液や唾液・涙・鼻水などの体液を介してウイルスが体内に入り感染した可能性がある。
体液を介しての感染は以前ほとんどないと考えられていたが、涙液や唾液中にもHBウイルスが存在することが示されており、
2009年に1歳5か月の男児が急性B型肝炎にかかったことが発端で精査され、同居した母方の祖父から子供へ、子供から父へと感染が伝播したと考えられる家族内感染例が見られた。
B型肝炎ウイルスは人間、チンパンジー、ゴリラ、オラウータンにのみ感染するので、近年では動物実験ができませんでした。それを解消することができたのはスキットマウスという免疫不全マウスを使うことができたからです。
HBキャリアの人の涙を生成したものを、人間の肝臓を移植したスキッドマウスに投与してB型肝炎の発症することを証明できた。
血液中の一桁少ない量のウイルスが、唾液、涙などに存在することので、粘膜や皮膚に傷がある際に、こういった体液の付着によりB型肝炎の感染が生じる危険性があるので、注意が必要であるし、B肝炎ウイルスを多く持っている人との接触する可能性のある人は、出来るだけ早期に、ワクチン接種を行い、抗体価を上昇させておく必要がある。
新生児のB型肝炎予防について生後12時間以内が望ましいと今までの48時間が訂正されたことはうれしい限りである。」

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