循環器系

2014.08.05

動脈硬化の成因 石上友章准教授

2014年7月22日 横浜市健康福祉総合センター
演題「高血圧UPDATE-JSH2014から尿細管レニンまで」
演者:横浜市立大学附属病院循環器内科准教授 石上友章 先生
内容及び補足「
今回の講演内容は、いくつかのテーマが盛り込まれていて、情報を追加しないとうわべだけのものになるため、かなりの部分石上先生の意向に沿うように勝手に判断して補っています。内容が膨大になったので、いくつかのパートに分けて掲載します。
Part 4 動脈硬化の成因

1型糖尿病患者に対して行われたDCCT研究の追跡調査において、強化療法群はStudy中HBA1cが7.1%で、通常治療群が8.9%で終了したが、その後の経過を見た研究中に両群の血糖コントロール状況は、1年で差がなくなってしまった。

そのような血糖のコントロール状況においても、網膜症が進行した人や新たに発症した人は、従来療法群のほうが多かった。

経年変化でみても、両群間の差が広がっていった。

MACE(心血管死,非致死的心筋梗塞[MI],入院を要する不安定狭心症・心不全・脳卒中・その他の心血管イベント)の頻度も、年を経るごとに差が広がっていった。

2型糖尿病患者においてSU薬/インスリンによる厳格な血糖コントロール群と標準コントロール群の予後を検討した研究では、介入試験時においては微小血管合併症の進展は抑制したが、大血管障害の抑制効果については有意差を認めなかった。
介入試験終了後10年間の追跡調査が行われており、この間両群のHBA1cの差が消失したにもかかわらず、大血管障害の発現頻度の差が顕著になり、抑制効果が遅れて認められることが分かった。


持続的な微量アルブミン尿を認める2型糖尿病患者160例を、HbA1c値<6.5%,空腹時血清総コレステロール値<175mg/dL,空腹時血清トリグリセリド値<150mg/dL,SBP<130mmHg,DBP<80mmHgを目標とする強化療法群と、デンマーク医師会が作成したガイドラインを治療目標とした標準療法群に分け、集中的多因子治療による全死亡および血管氏に対する有効性を検討した試験Steno-2の結果が報告された。
13.3年間における全死亡は、強化療法群24例に対し、標準療法群は40例であった。

また、心血管イベントも有意に低下していた。

血圧に関してはLegacy Effectは認められず、血圧値の現時点での厳格な管理が必要である。
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa0806359

動脈硬化発症させる血管壁炎症の永続性をもたらす生物学的基盤について。
今まで見てきたように、動脈硬化の基盤には、高血圧、糖尿病、脂質異常症があるが、これらの治療をきちんと行ってさえ、動脈硬化の進行を抑えきることはできない。喫煙による影響などの炎症が関与していると考えられるようになってきた。

そこで我々は、この炎症の一部に、自己免疫性機序がかかわる可能性を考え研究をしてきた。
自己免疫疾患に関与する無数の蛋白質を高感度かつ効率に検出する方法として、無細胞タンパク質合成家により発現させた哺乳動物由来の蛋白質を、自己免疫疾患患者由来の資料と接触させることにより、自己抗体算出を検出し、その検出したデータを統計的分析処理、さらに遺伝子オントロジー解析およびパスウェイ解析を行うことにより、自己免疫疾患に関与するたんぱく質を網羅的に解析する手段:cell-free protein synthesis systemで検討を行った。
http://www.google.com/patents/WO2012067165A1?cl=ja&hl=ja
結果としてはIgG抗体を検出し、19種類のたんぱく質を同定した。その中で、Th2サイトカインである抗インタロイキン5(IL-5)抗体患者血清中に有意に高値であることが分かった。

http://www.fasebj.org/content/27/9/3437.abstract
FASEB J fj.12-222653; published ahead of print May 22, 2013, doi:10.1096/fj.12-2226532013
抗IL-5抗体の投与で、マクロファージの泡沫化を抑制することもできたので、今後動脈硬化のマーカーとしてだけでなく、治療薬の開発にも寄与できる可能性が出てきた。

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