その他

2022.10.10

帯状疱疹予防の重要性について考える 三鴨廣繁先生

2022年10月4日(火) 

演題「Kanagawa Vaccine Forum 帯状疱疹予防の重要性について考える ~乾燥組換え帯状疱疹ワクチン シングリックス筋注用を中心に~」

演者: 愛知医科大学医学部 臨床感染学講座教授 三鴨 廣繁 先生

場所: 新横浜プリンスホテル

内容及び補足「

ヘルペスウイルスは2本鎖DNAをゲノムとするDNAウイルスのうち、直径220nm程度の正20面体状のカプシドが、蛋白質からなるテグメントが周囲を覆い、直径約200nmのエンベロープに包まれた球状粒子である。

陸上脊椎動物を宿主とする。3亜科13属80種に分類するほか所属未定種が8つある。

ヒトに感染するヘルペスウイルスは下記表の8種類ある。

エンベロープには糖蛋白質B、C、E、H、I、K、L、M、Uがあり、そのうちの細胞絵の感染においてはgEが重要な役割を果たしている。

帯状疱疹の特徴としては、身体の片側性の知覚神経の走行に一致して、皮疹と同時または数日前後して違和感や疼痛が出現する(多くは皮疹が後)。皮疹が出現せず、神経痛・神経障害のみの病態Zoster sine herpeteもある。

背部、上肢~後背部、臀部~下肢、頭部~顔面などに出現する。

 

参:主な発症部位は、潜伏感染していた神経節の支配領域である身体の片側に帯状に水泡を伴う皮疹が出現する。胸から背中にかけて最も多く見られ、6割の人が上半身に発症する。

https://www.maruho.co.jp/kanja/taijouhoushin/about.html#02

 

顔面の知覚神経は、下図のように、帯状に分布しており、この支配領域に一致して皮疹が出現することになる。

 

水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の初感染は、多くの人が小児期に罹患する水痘として発症する。感染したVZVは水痘治癒後も神経節のDNAの中に潜伏感染し、加齢やストレス、疲労などで免疫力が低下したときに、再活性化が起こり、帯状疱疹として回帰発症する。

病原微生物検出情報(IASR). 39(8), 131-132, 2018

https://taijouhoushin-yobou.jp/faq.html

 

参:水痘(播種性帯状疱疹) 北大病院感染対策マニュアル 第7版

https://www2.huhp.hokudai.ac.jp/~ict-w/manual(ver.7)page/manual(ver.7)/10.02)suitou211001.pdf

病原体:VZV エンベロープを有するため、アルコール消毒は有効。

潜伏期間:14~20日。免疫グロブリン投与を行った場合、発症時期が一週間程度遅れる場合がある。潜伏期は暴露後14~27日。

ウイルス排出期間:発疹出現2日前~水疱がすべて痂皮形成するまで(通常は水疱出現後5~7日で痂皮形成する。)

伝播経路:空気感染、飛沫感染、接触感染

臨床経過:

水痘:軽い発熱、倦怠感、発疹で発症し、皮疹は紅斑から2~3日のうちに水疱、膿疱、痂皮の順に進行する。種々の段階の皮疹が同時に存在するのが特徴。

播種性帯状疱疹:神経根に潜伏していたVZVが再活性化すると、帯状疱疹を発症する。通常は片側性の神経支配領域のみに皮疹を生じるが、細胞性免疫不全患者に発症すると、3分節以上に及ぶ播種性帯状疱疹を生じることがある。播種性帯状疱疹は空気感染で伝播する可能性があり、水痘に準じた感染対策が必要である。

https://www.maruho.co.jp/kanja/taijouhoushin/symptoms.html#01

 

水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)に初めて感染すると水痘を発症し、その後、VZVは知覚神経節に潜伏する。加齢に伴い細胞性免疫が低下すると、VZVが再活性化し、帯状疱疹を発症する。50歳以上のVZV抗体保有率は100%であるとの報告もある。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/y-graphs/8812-varicella-yosoku-year2019.html

 

しかし抗体があるから再活性化しないのではなく、再送性免疫機能が低下した際に再活性化が起こるのである。

* 2001~2005年に国立感染症研究所により収集された全国の健康な日本人(0~82歳)の血清標本828検体の水痘帯状疱疹ウイルスIgG型抗体を測定。

NEJM 356 13381343, 2007

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMct066061

 

小豆島スタディ

小豆島(人口約3万人、面積153.30km2)在住の50歳以上の住民を対象に2008年12月~2009年11月に登録し、3年間12,522人の住民を対象に疫学調査を行った。

臨床所見から帯状疱疹の発症が疑われた症例は438人、そのうちウイルス学的検査により帯状疱疹と診断された患者は401名(DNA検出者396人、抗体価の上昇のみ5人)で検討を行った。

VZV特異的細胞性免疫を調べるために、水痘抗原を用いた皮内反応を5683人に施行した。

加齢に伴い反応が低下している。

皮内反応径でみてみると、紅斑長径が10㎜以上と未満で比較するとリスク比は0.27であった。

帯状疱疹発症後一日以内のVZV抗体値(=発症して抗体価が上がる前の抗体値)と帯状疱疹発症との間に差は認めなかった。つまり帯状疱疹発症には、細胞性免疫は密接に関与しているが、液性免疫は影響していない。

 

宮崎スタディ

1997年から2017年にわたり宮崎県皮膚科医会に属する皮膚科診療所33施設と総合病院10施設を受診した帯状疱疹患者の解析。

21年間で、宮崎県の人口は8.3%減少したが、帯状疱疹の年総数は54.5%増加し、平均発症率も68.1%増加した。

 

参: 1997~2018年の帯状疱疹発症数は総計で119053人に上った。この22年間で宮崎県の人口が9%減少する一方、発症数は年々増加し、1997年の4243人から2018年には6786人となり、発症数としては59.9%、人口あたりの発症率は75.6%上昇した。また帯状疱疹の再発例も増加しており、2009年6月~2015年11月の集計によると再発率は6.41%に上った。再発までの平均期間は約13年で、悪性腫瘍や免疫疾患などの患者背景に特段の違いはなかった。男女別で見ると、帯状疱疹発症数は男性49588人、女性69465人、発症率は男性4.22%、女性5.25%と女性で多かった。発症数のピークは男女ともに60歳代だが、発症率のピークは女性が70歳代、男性が80歳代であった。発症数全体に占める50歳以上の割合は、1997年では60.9%、2018年では73.4%と近年では50歳以上の発症割合が高まっており、特に60歳以上の女性の発症数・発症率の上昇は顕著であった。宮崎県の人口全体に占める60歳以上の割合は1997年に約25%であったのに対し、2018年は約39%にまで上昇していることから、宮崎県では高齢化が進行しており、帯状疱疹の疫学動向にもその影響が及んでいることが伺える。

https://www.maruho.co.jp/medical/pdf/amenalief/seminar/hzs_vol2.pdf

 

50歳代から急激に増加し、60歳代でピークを迎え、80歳までに3人に1人が帯状疱疹を経験すると推定される。

Open Forum Infect Dis. 4(1), ofx007, 2017

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28480280/

https://academic.oup.com/ofid/article/4/1/ofx007/2960780?login=false

 

この傾向は日本においてだけでなく、世界中でほぼ同じように50歳以降で帯状疱疹は急激に増加している。

BMJ Open 2014;4:e004833.

https://bmjopen.bmj.com/content/bmjopen/4/6/e004833.full.pdf

 

水痘は、小児科定点あたり年間報告数は2000~2011年では平均81.4人/年であったが、20121~2014年で平均56.0人/年に、定期接種化直後の2015年は24.7人/年と減少し、以降も緩やかに減少している。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/varicella-m/varicella-idwrs/10892-varicella-20220113.html

 

水痘予防接種プログラムは、地域社会の水疱瘡を減少させ、VZVに対する免疫を高めるブースター効果を減少させるため、水痘ワクチン接種の導入は、集団における帯状疱疹発生を増加させる可能性がある。

年代別にみると、定期接種前の2012~2014年に比べ定期接種後の2015~2017年は、20~40代で発症率が増加している。

IASR Vol. 39 p139-141: 2018年8月号

https://www.niid.go.jp/niid/ja/allarticles/surveillance/2433-iasr/related-articles/related-articles-462/8235-462r07.html

 

合併症:帯状疱疹の合併症として、最も多いのがPHNで、皮疹改善後も持続する疼痛が症状として現われる。

N Engl J Med. 369(3), 255-263, 2013

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23863052/

 

2008年12月~2009年11月にかけて香川県翔津郡で12522名の参加者を募集し、3年間フォローした。帯状疱疹の発生率は10.9/1000人年(男性8.5、女性12.8)であり、男性よりも女性で有意に高かった。PHNの発生率は、2.1/1000人年(男性1.7、女性2.4)であり、有意差はなかった。帯状疱疹症例の19%がPHNに進行した。

J Epidemiol. 2015; 25(10): 617–625.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jea/25/10/25_JE20140210/_pdf/-char/en

 

釧路スタディ

釧路市の14施設において2013年6月~2015年2月に登録された60歳以上の帯状疱疹患者412例を検討した結果、皮疹発現後90日を経過しても19.9%の患者に疼痛が残存(帯状疱疹後神経痛 Postherpetic Neuralgia:PHN)し、9.2%の患者では、中等度~重度の疼痛が持続していた。

J Dermatol. 44(4), 414-422, 2017

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/1346-8138.13639

 

2008年12月~2009年11月香川県小豆郡に在住する50歳以上の男女12522例を対象に調査した小豆島スタディでは 401例に帯状疱疹発症し、PHN発症例数79例19.7%であった。

5人に1人で帯状疱疹後神経痛(PHN)が認められた。

J Epidemiol. 25(10), 617-625, 2015

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jea/25/10/25_JE20140210/_article

アメナビルで帯状疱疹を治療している症例において753例で神経痛の変化を観察したが、治療開始時の皮疹、疼痛の程度が高いほど、神経障害性疼痛PHN発症のリスクが高まることが示された。

日皮会誌131(1) 49-62 2021

 

痛みの残る期間は、高齢であるほど、皮膚病変が重度であるほど、神経痛がひどいほど、長く残ることが示されている。

J Eur Acad Dematol Venereol 28 1716-1722 2014

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1111/jdv.12379

 

2003年1月~2017年2月1日までに公開された論文のうち帯状疱疹の危険因子を調べるため、3450件の研究のうち62件の研究でメタアナリシスを実施した。

女性は男性と比較してRRは1.31、黒人は白人と比較してRRは0.54、関節リウマチでは1.67、SLEでは2.10、喘息で1.25、糖尿病で1.30、COPDで1.31、IBDで1.35、CKDで1.28、うつ病で1.36と幾つかの疾患で帯状疱疹の発症リスクが上昇していた。

Mayo Clin Proc. 2017 Dec;92(12):1806-1821

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29202939/

 

2022 GOLD reportsのp102にCOPD患者のVaccinationが推奨されている。

インフルエンザ、肺炎球菌、50歳以上のCOPD患者に対して帯状疱疹、COVID-19のワクチンである。

file:///C:/Users/PCUser/Downloads/GOLD-REPORT-2022-v1.1-22Nov2021_WMV.pdf

 

Covid-19に罹患した50歳以上の394677人の群とCovid-19に感染していない50歳以上の1577346人の群で帯状疱疹の発生率を比較した。 

Covid-19に感染した人は、感染していない人よりも帯状疱疹の発症リスクは15%高かった。入院患者で検討すると21%とより感染リスクは顕著になった。

帯状疱疹発症のリスクがし上昇するのは、入院(1日目から183日目まで)、50-64歳、Covid-19感染であった。

Open Forum Infectious Diseases, Volume 9, Issue 5, May 2022, ofac118

https://academic.oup.com/ofid/article/9/5/ofac118/6545460

 

帯状疱疹は、ほかの人に帯状疱疹としてうつることはないが、水疱瘡に罹ったことのない乳幼児などに、水疱瘡としてうつる場合がある。

https://www.maruho.co.jp/kanja/taijouhoushin/about.html#02

 

水痘瘡(みずぼうそう)の感染力は非常に強く、感染者の咳やクシャミなどにより、空気中に漂ったウイルスを吸い込むことで感染する空気感染・飛沫感染や、感染者を開放している際に、発疹に触れたり、水膨れがつぶれた際の液に触れることによる接触感染が主な経路である。同室内での空気感染は10人に1人感染すると言われており、発疹がかさぶたになりかけるころまで接触感染する恐れもある。

 

帯状疱疹患者の唾液中に感染性を有するVZVのDNAを分離している。

J Virol Methods 2013;193:128-130.

J Med Virol 2014;86:360-362.

J Infect Dis 2008;197:654-657.

 

参:中国南部の総合病院皮膚科で帯状疱疹と診断されたVZV群55名(軽・中等症者35名、重症者20名)と健常ボランティア対照群30名の唾液中のVZVDNAをPCR法で測定した。

VZVDNA陽性率は、87%、85%であり、PCR測定値は、1.47±1.07、4.06±3.01、1.10±0.25copy/dLで、VZV群で有意に上昇し、重症者でより高くなっていた。

Yixue Yanjiusheng Xuebao  (Yixue Yanjiusheng Xuebao) 33 737-740 2020

https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=202002262223645792

 

水疱瘡患者が過ごした部屋の空気清浄機フィルターからVZVのDNAが検出された。

J Infect Dis 2004;189:1009-1012.

https://academic.oup.com/jid/article/189/6/1009/872991

 

日本環境感染学会は、平成21年5月25日『医療関係者のためのワクチンガイドライン』を作成した。

平成26年9月25日に第2判を作成し

file:///C:/Users/jeffb/Downloads/vaccine-guidelines_02.pdf

令和2年7月27日に帯状疱疹を追加した第3版を出した。

http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/vaccine-guideline_03(4).pdf

令和4年1月25日に新型コロナワクチンを追加した追補版を出した。

http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/vaccine-guideline_03-tsuiho.pdf

参:帯状疱疹患者は、皮疹が出現してから痂疲となる期間は感染源となる。水痘患者からは、71.5%の頻度(JAMA 2004;292:704-708.)で感染報告されたのに対して、帯状疱疹患者からは15.5%の頻度(J Hyg 1949;47:253-262.)であった。

我が国のサーベイランス報告で326例の推定感染源のうち104例31.9%が帯状疱疹患者であった(感染症発生動向調査:水痘入院サーベイランス 2014~2017 年.IASR 2018;39:131-132.)。

 

医療従事者にワクチンを接種する目的は、医療従事者人を守るだけでなく、ウイルスの運び屋にならないだけでなく、休職することにより医療機関の機能低下が生じるのを防ぐことである。

ワクチンの接種対象者は、以下の者との接触が推定される50歳以上の医療関係者である。

接種不適当者としては、以下のいずれかに該当する場合である。

                                                                             

 

現在帯状疱疹に使用できるワクチンは二種類ある。

生ワクチンである「乾燥弱毒生水痘ワクチン」

https://www.biken.or.jp/wp-content/uploads/Product_Doc/fa-v/document.pdf

https://www.biken.or.jp/wp-content/uploads/Product_Doc/fa-v/interviewform.pdf

と不活化ワクチンである「乾燥組み換え帯状疱疹vaccine」:シングリックスである。

 

乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」は一般財団法人大阪大微生物病研究会が1986年9月に水痘予防として製造承認を取得。1歳以上の小児から成人への接種が認可された。

2014年10月から2回接種が定期摂取として開始された。

 

60歳以上の38546人を対象に行ったZOSTAVAXの帯状疱疹用効果は、接種後3.12年間のサーベイランスにおいて、帯状疱疹発症が51.3%減少、PHN発症が66.5%減少、疾病負荷が61.1%減少した。

N Eng. J. Med. 2005;352:2271-2284

https://www.nejm.org/doi/pdf/10.1056/NEJMoa051016?articleTools=true

 

60歳以上で51%の予防効果で会った研究でも細かく見ると、60-69歳では64%、70-79歳では41%、80歳以上では18%と高齢になるほど予防効果が減弱する結果となっている。

 

持続性:接種後4~7年間では帯状疱疹発症とPHN発症がそれぞれ39.6%、60.1%減少し、疾病による死亡や損失した生活の質を示す疾病負荷は50.1%減少した。接種後7~11年間では、帯状疱疹発症とPHN発症がそれぞれ21.1%、35.4%減少し、疾病負荷が37.3%減少したと報告されている。

Clin Infect Dis 2015; 60: 900-9.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25416754/

Clin Infect Dis 2012; 55: 1320-8.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22828595/

 

60歳以上の176078人を対象とした研究では、ワクチン接種後1年以内の帯状疱疹発症阻止効果はワクチン非接種者と比較して68.7%減少したが、接種8年目ではその効果は4.2%に低下した。

J Infect Dis 2016; 213: 1872-5.

https://academic.oup.com/jid/article/213/12/1872/2572147?login=false

 

参:ZOSTAVAXの臨床試験においては、プラセボと比べ50~59歳で69.8%の帯状疱疹発症に対する予防効果を認めた。

Clin. Infect. Dis. 2012;54:922-928

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4542655/

 

安全性:50歳以上の健康成人259人に対しての国内臨床試験の結果では、接種から6~8週後までに発言した有害事象の発現割合は50.6%で、副反応は50.6%に認められた。

弱毒化生ワクチンであるため、明らかに免疫異常のある疾患を有する人(先天性および後天性免疫不全状態の人、急性および慢性白血病、リンパ腫、骨髄やリンパ系に影響を与えるその他疾患、HIV感染またはAIDSによる免疫抑制状態、細胞性免疫不全など)および薬剤などによる治療を受けており明らかに免疫抑制状態である人は接種不適当者・禁忌である。しかし、逆の見方をすればこういった免疫抑制状態の人は帯状疱疹にかかりやすく重篤生かしやすい人であるために、帯状疱疹のワクチン接種がより望まれる人たちである。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                             

そのため、不活化ワクチンが必要となってくる。

アジュバンド化ワクチン製剤の2回接種は1回接種よりも大きな免疫応答を誘導した。

Vaccine 32 1745-1753 2014

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0264410X14000516

 

アジュバンドであるASO1BによりgE特異的細胞性免疫応答の増強はマウスにおいて確認されている。

アジュバンドはワクチンに添加することにより、ワクチン抗原に対する免疫応答を加速、増強、持続させる物質である。

Curr Pharm Des. 2006;12(32):4135-42

file:///C:/Users/jeffbeck/Downloads/IshiietalCurrPharmDes.pdf

 

Zoster-006/022試験

50歳以上の男女15411例(日本人577例)で行ったZoster 006試験と70歳以上の男女13900例(日本人511例)で行ったZoster022試験で有効性を見てみると、年齢が高くなっても有効性には大きな差は認めず約97%の有効性を認めた。

NEJM 372 2087-2096 2015

https://www.nejm.org/doi/pdf/10.1056/NEJMoa1501184

 

Zoster-50 およびZoster-70の追跡調査でワクチン接種後5.1~7.1年の追跡調査では7413人のうち有効性7277人、体液性免疫813人、細胞性免疫108人で評価した。ワクチンの有効性は追跡調査の開始から84.0%、ワクチン接種から90.9%であった。

Clin Infect Dis 2021 Jul 20

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34283213/

 

シングリックスの安全性

2つの国際共同3相臨床試験の併合解析(Zoster-006/022)において、接種後7日間に報告された局所性(注射部位)の副反応は3944/4884例(80.8%)に認められた。

主なものは疼痛78.0%、発赤38.1%、腫脹25.9%で、持続期間の中央値はすべて3.0日だった。また、漸新世(注射部位以外)の副反応は3159/4876例(64.8%)に認められ、主なものは、筋肉痛40.0%、疲労38.9%、頭痛32.6%だった(承認時)。

シングリックス接種は、日本のワクチンなしと比較して、65歳の100万人当たり71423帯状疱疹症例および15858PHN症例を予防すると推定された。増分費用対効果比(ICER)は支払者の観点から420万5515円であり、ICERは385万4192円(帯状疱疹罹患のみによる生産性低下)、462万2212円(帯状疱疹罹患による生産性低下およびワクチン接種に要した時間)であった。つまりシングリックス接種は65歳以上の日本人成人のワクチン接種なしと比較して費用対効果が高かった。

支払者の観点から見たシングリックスの増分費用対効果比(ICER)と65歳の日本人成人の無ワクチンに対する決定論的感度分析結果。ICERが500~600万円/品質調整生存年(QALY)の閾値を下回った場合、日本では費用対効果が高いと考えられている。

Dermatology and therapy 12 1447-1467 2022

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35668295/

 

シングリックスは二か月間隔で二回筋肉内に接種する。

筋肉内接種の際には上腕の三角巾に接種する。

SIRVA:Shoulder Injury Related Vaccine Administration

筋肉注射によるワクチン接種をきっかけにおきる、50肩のような強い肩の痛みや、肩の可動域制限が生じる病態。

 

参:新型コロナワクチン接種によるSIRVAでは、女性のほうが多く、平均年齢は53歳であった。

JSES Int. 2022 Jul; 6(4): 682–685.

https://www.jsesinternational.org/article/S2666-6383(22)00075-5/fulltext

 

 

コロナワクチンとの接種感覚については下図のような接種の仕方が推奨されている。

参考文献・サイト  :

ワクチン ファクトシート 2017年2月10日 国立感染症研究所

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000185900.pdf

 

「身体の調子が悪い」
「生活習慣を改善して健康な身体になりたい」
「病気ではないけれど健康に不安がある」 045-313-5055
「身体の調子が悪い」
「生活習慣を改善して健康な身体になりたい」
「病気ではないけれど健康に不安がある」
という方はよろず相談、セカンドオピニオン外来として当院へご来院、ご相談ください!
診療時間 日•祝
9:00~12:30
14:30~18:30
休診日 水曜・金曜午後・土曜午後・日曜・祝日
◎ 土曜は13:00まで診療となります
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■住所
〒220-0073
神奈川県横浜市西区岡野2-5-18

■診療時間
9:00~12:30 / 14:30~18:30
※土曜は13:00まで診療となります。
休診日は水曜、金曜午後、土曜午後
日曜、祝祭日となります。

■電話番号
045-313-5055

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